〜 豊 視点 〜
『うわー、マジで赤ん坊連れてんじゃん』
『豊は、いつかやると思っていたが……
まさか、本当にやるとは……な?』
『愛音ちゃん、可哀想……
あんだけ信じてたのに、こんな裏切りはねぇよな……?』
俺は、赤ん坊を腕に抱きながら学校に登校すると………
変な意味で注目を浴びていた
だーかーら……っ!!
俺のガキじゃねぇって言ってんだろ…っ!
家の前に置き去りにされてたから
拾ったんだよ!!
「おはよう、豊
お前、ついにやったんだって?」
「ついにやった……ってなんだよ
やってねぇよ」
俺の肩にポンっと叩いて、そう言ってきた
今時珍しい黒髪に眼鏡………
なかなかのイケメンの男は……
生徒会長の……柳沢 聖司
俺の親友だ
ちゃらんぽらんな俺とは違い……
聖司は、真面目で先生や生徒からも厚い支持を受けている
すげぇ良いヤツだ
そんな男とどうして親友なのか…って?
男には色々あるもんさ
聖司みたいに期待されまくって息苦しい生活をしているヤツは、俺みたいなのといるのが一度楽なんだよ
「それで?
この子が例の………豊の子ども?」
「だから違ぇって……!!
拾ったの!家の前で!」
何度同じ台詞言わないといけねぇんだよ……っ!
「豊…………
誘拐はいけないよ
すぐに自首しなさい」
「マジぶっ殺すぞ!!
俺が誘拐なんてチンケなことするかよ!」
どいつもこいつも……
俺を犯罪者にしやがって……っ!!