「ち、違うって……っ!

俺の子じゃないって…っ!」







「じゃあ、誰の子だって言うのよ!」










豊は、赤ん坊を抱きながら

私に俺の子ではないと何度も言ってきますが……



絶対に豊の子です!











「信じてたのに……っ

浮気しても、私一人を見てくれるって……


信じてたのに……っ!!」








「だから……っ!
マジで俺の子じゃないって…っ!!

俺の家の前に、この赤ん坊がいたんだって…っ!
だから、俺は拾っただけだって……っ!」







「そんな分かりやすい嘘信じると思ってんの!?」












赤ん坊が家の前に置き去りにされていた?

そんなベタな話信じると本気で思ってんの!?











「マジだから!
俺がお前に嘘ついたことあるか!?」





「…………………ないかも…」











豊は、浮気をした後は絶対に私に報告していた


確かに、そう考えると嘘はついていないかも………










「ほら、この赤ん坊が入っていたカゴの中に

こんな紙が入っていたんだよ」












豊は、赤ん坊を抱きながら……

カゴの中に入っていた紙を私に見せてきた










『この子は、あなたの子どもです
私はもう疲れました

あなたが育ててください


この子の名前は、夢です』










私は、その紙を見て

豊の顔面を思いっきり殴った












「痛…ってぇ!!何すんだよ、愛音!!」









豊は、その場に倒れ込んだが……

赤ん坊は、きちんと腕の中でしっかりと抱きしめ守った










「あんたの子どもって紙に書いてあるじゃない!!

よく私に、こんな紙を見せれたわね!?」





「だから俺のガキじゃねぇって…!!
俺がそんなヘマすると思うか?

絶対に子どもを作るような、ヤり方はしねぇよ!」






「もういい!!」











私は、豊のことを信じれなくなり

豊に背を向け、玄関の方に足を進めた









「待て……待てって、愛音…っ!」




「離して……っ!」











豊は、赤ん坊を腕に抱きながら

私の肩を掴んで引き止めてきた











「なあ、ちゃんと話し合おう……?
俺のこと好きだろ?愛音」






「もう知らない!!
マジ別れる!!死ねカス!!」












私は、それだけ言うと

豊の手を払い、飛び出すように家から出た











マジ最低!!

あんな男、もう顔も見たくない!!












私は、もう絶対に豊と関わらないと決めた