「それで?
何しに来たんだよ」
「うっわ。そんなこと言っちゃう?
折角俺が頑張って、豊サマの退学を取り消しにしてあげたのに〜」
「えっ……!?ま、マジで!?」
「マジマジ。俺、頑張ったよー
色んな先生口説いて、退学取り消しにしてあげたんだからね?
感謝してください」
「うわー!マジサンキュー!!
愛してる〜、聖司♡」
俺は、嬉しすぎて
赤ん坊の頬で楽しそうに笑っている聖司に抱きつき、頬にキスをお見舞いした
「ちょっ、キモい
俺にそんな趣味はないからー」
「ひ、酷い!
俺のキスをもらって、キモいなんて言うのはお前くらいだぞ!」
「俺は女じゃないから、キモいとしか思えないよ
ねぇ、まさか……
この子にまで、キスとかしてないよね……?」
聖司は、俺の顔を手で抑えると
少し……いや、かなり引いた顔で赤ん坊を指差した
「はあ?そんなもん、してるに決まってんだろ〜♡」
「うっわ。最悪……
俺、この子の頬……触っちゃったじゃん
豊、手洗い場どこ?
てか消毒液とか持ってる?」
「俺は、ばい菌扱いか……っ!!」
なんだよ、酷ぇな!
親友のキスくらい有難く頂いとけよ!
俺のキスは、女が泣いて喜ぶほどの価値があるんだからな!
「もう絶対にこの子にキスしないでよ
この子も絶対、豊のキス嫌がってるから」
「嫌がってねぇよ!
泣いて喜んでるっつうの!」
「だから、泣いてるんでしょう?
うわー、最低ー
赤ん坊にまで手を出すなんてぇ
豊さん、それはないですよ……」
「やめろ!その言い方!
俺は変態じゃねぇ!」
「変態じゃないですか……
男や赤ん坊にまで手を出す豊さん…
範囲広すぎでしょう…」
「だから!違うって……っ!」
「いやー、俺はこんな男にはならないでおこう」
「……っ…もういい!」
俺の愛情が分からない聖司なんて知らねぇ!!
もう一生、キスしてやんねぇからな…っ!