〜 愛音 視点 〜











「……………や、やっと寝てくれた…」














私は、子どもを自分の家に連れて帰るのはまずいと思い

一人暮らしをしている、豊の家に連れて行った






子どもは、豊に懐いていたみたいで

豊から離れたら、すぐに泣き出してしまった



でも、なんとか頑張って泣くのを止め

ミルクを飲ませて、眠らせた













「豊、絶対に今日は帰って来ないと思うし……

私が頑張って、この子の面倒見るしかないね!」













そう思っていたら………




ピンポーン〜 ♪









呼び鈴が鳴った













あ、あれ……?

豊、帰ってきたのかな……?



いや、でも……

鍵持ってるはずだよね……?



なんで呼び鈴鳴らすの……?














私は、玄関に向かい

恐る恐るドアを開けた













「あっ……!」




「あ、あれ……?」













ドアを開けると……

生徒会長の柳沢 聖司がいた













え、えぇ……っ!?

な、なんで生徒会長の柳沢さんがいるの!?












「あ、えっと………
初めましてだよね……?

俺、柳沢 聖司っていいます」






「し、知ってます…っ!!」













知ってるに決まってる!!

わ、私……っ


柳沢さんのファンだから…っ////!!





柳沢さんは、テストでいつも一番で……

顔も性格まで良いから、ファンクラブまで出来ていて……



学校で知らない人はいないってほど
有名人!!






そ、そんな人が……

い、今……私の目の前に…っ////!!












「えっ…と……
愛音ちゃんだっけ……?

豊いる?」













や、柳沢さんが……っ

わ、私の名前を……っ////!!



……って、感動してる場合じゃない!

早く答えないと……っ!












「豊なら、一年の子と遊びに行ってますが……」






「えっ…マジで?
アイツ、ホント懲りないなぁ……

人が折角頑張って、退学取り消しにしてあげたのに……」






「えっ……?
ゆ、豊……た、退学になるとこだったんですか……!?」






「えっ……?あ、うん
子どもを作ったなんて学校に知れたら、普通退学だよ

ホント俺が生徒会長してて良かったって感謝してほしいよ…」
















ゆ、豊が退学………

柳沢さんは、豊を助けてくれたってこと……?













「あ、あの……っ!」




「ん?」




「あ、ありがとうございました…っ!!」




「………………」















柳沢さんがいなかったら……

豊は退学になっていた



豊を助けてくれた柳沢さん……

ホントに良い人だ!!