――……え?
紅って……色の方…だよね…?
「紅色ってさ、艶やかとか、花みたいな女性とか、縁起がいいとかの意味なんだよな。 俺からすれば紅そのものだよ」
「っ……なんで…っそんな事…言うの……」
「初めて会ったあの日からずっと探してた。クラス違うし、話しかけにくくて…。でも、あの日屋上に居て良かったよ」
「…私もっ!あの日屋上に行って良かったと思うよ!」
だって、別の日だったら明に会えてたか分からない。
あの日、あの時、あの瞬間で良かった。
明に出会えたから――…。
「あ、あのね明」
「ん?」
「私も、明は名前の通りの人だと思うよ」
「え?」
「ふふっ、明は私の光って事だよ」
明。
光がさして明るい。ハッキリとして疑う余地がない。夜明け。明かり。
明はいつだって私の心を、私自身を照らしてくれてた。
私にとって明は光なんだよ…。