ごめんね、七葉。

…そして、ごめんね。

朱音…。

この時、隣にいる大切な親友が、私に何か言いかけようと、自分の方を見ていたのに、それに私は気づけなかった…。

情けないよ。

私はバカな女だよ。


* * *


…授業中。

数学担当の植野が淡々と授業をしてるが、私はボーっと。

数学なんて、やれるかっ。

目線は前を向いているんだが、視点が定まってない。

ただ単にボーっと。

前を見てるだけ。

「北川さんっ」

『…!?』

突然の声に心臓がはち切れそうになる。

「…これっ、回ってきたけど…」

隣の席の浜崎さんだ。

『あっ、うん。ごめん』

浜崎さんとは、こんなような仲。

必要以上に喋らない子だから、けっこう苦手なのさ。(笑)

潔癖ガールだから。

まぁ、そんなことは置いといて。

手紙っ。

(誰からかなぁ?)

パラッと紙を開く。

【七葉だけど。ちょっと相談のってほしーんだ。今日の昼休みヒマ?七葉より】