「はぁ?テメェいい子ぶってんじゃねぇよっ!」

深歩が大声で怒鳴り、朱音の机を蹴る。

「…何、これっ」

その時、朱音は初めて落書きに気づいたのか、恐る恐るそぅ言った。

「誰がこんなん…っ」

「私らだよ?」

泣き声にも聞こえる朱音のその声が、すごく聞きたくない…。

そして、この場でそぅ言う郁がまた許せない。

「何で郁たちが…!」

「決まってるでしょ?ウザいからっ」

『ちょっ…』

1つ1つの台詞にいちいち返事をされ、攻められてるみたいだ…。

いや、攻められてるんだけど…。

「何?花南には関係ないでしょ!?」

深歩が冷たい目で言い放った。

何で…?

何で郁と深歩が言って、七葉は何も言わず下を向いてるの?

卑怯者…!

『関係あるよっ!!私は朱音の親友だからっ!理由はそれだけだけど、関係あるものは関係あるの!深歩たちだって、友達だから七葉の味方してんでしょ!?じゃあ、平等だよね!』

少し呼吸を整える。

『言ってる意味分かる!?私は、朱音も七葉も深歩も郁も、全員大好きなの!私、欲張りだから…。みんな仲良しがいいの。みんなで一緒にいたいの!仲違いは…、やめよ…っ。…何も変わんないよ…。何も。恨む合うだけだよ』