これじゃ丸で…、いじめ…みたいじゃん…。

「あ、花南。やっと来た…」

『!!』

背後からの声に、身体がビクッと反応した。

そぅっと後ろを向く。

『…七葉っ』

「ん?…何ビビッてんの?」

『…いや…』

だって…、この落書きの字って…。

『七葉の字だよね…?…この落書き』

少し引く体制で問いかける。

私がそう聞くと、彼女は動じず、

「うん。それが何…?」

と、無表情で答えた。

『…えっ!?嘘でしょっ!!?』

信じたくない…。

だって、私ら友達じゃん。

“親友”って言っていい程、仲良かったよね?

なのに…、何で?

「嘘じゃないよ~♪だって朱音、ムカつくじゃん」

『えっ』

「何かすましててさぁ、大人ぶってるトコとかぁ?そこら辺がまじムカつくじゃん!」

…。。。

息を呑んだ。

『…何でっ?私ら友達でしょっ!?』

少し、頭にきてる。

その時…。

「あ、花南。七葉…」

教室に朱音が来た…。

『朱音…っ』

不安そうな私の表情を敏感に感じとったのか。

「ん?どーしたの?…あ、さっきはごめんね。花南。酷く言っちゃって」

作り笑いしながらそぅ言う朱音だが、私の方こそ作り笑いしたくなる。

『…朱音っ』

「ん?何?」

ガタンッ!

朱音の声と共に大きな雑音。

音の方を向くと、そこには、七葉と深歩と郁がいる。

「あっ♪深歩と郁もいたんだぁっ!深歩たち、どーしたの?B組に来るなんて…っ」