「…あ、うん。翼っていうんだよ」

翼……。

その名前に少し心当たりがあった。

分かんない。

カン違いかもだけど。

ガチャッ

その時、部屋の扉が開いた。

「おッ!翼」

現れた男の子。

男にしては、可愛い顔をしている子。

髪は爽やかな茶色で前髪が少し立っている。

笑顔がほんと可愛い。

「遅れてごめんッ!みんな集まってるし」

ニカッと太陽みたいな笑顔を私たちに向けた。

「ほら。早く座れよ」

川原くんが誘導して、私の前の席に座らせる。

座ったとき、一瞬目があった。

「もーみんな自己紹介したから、お前も早く!」

青木くんが勢いよくその男の子を殴る。