ニコッて笑うとコッチのものなんだから…。

「…ッ」

もう一度、ケイスケは私にキスをした…。

(キス下手。しかもヤるのも下手。こいつとは、今日で縁切ろ…っ)

そんなこと内心考えながら、ケイスケの腕の中に顔を埋めた。


* * *


「…じゃっ。ケイスケばぃばぃ!」

約束通り、ケイスケは私を車で送ってくれた。

ほんと、使える。

可愛い顔すれば、すぐ奴隷になるんだから…。

いい気になれる。

便利……。

「おぅ!じゃ、また遊ぼーなッ」

『うんっ♪』

私はクルッと学校の方を向き、歩きだした。

(バカじゃないの…。自意識過剰も大概にしてっ)

ケータイを出し、ケイスケの名前をアドレス帳から消した。

ニヤッと笑い、下駄箱に来た。

「花南ぁ。おはよっ」

靴を履き替えてると後ろから声が。

『あ、朱音じゃんっ』