「夢の中でならこんなに素直…に言…え…るの…にね……」
最後にニコッと笑いかけてオレの方に雪崩れてくる。
また寝てるし…
ポケットから携帯を取り出して電話をかける。
「あ、おばさん?
亜由見つけたから。
今帰るね」
「冬季くんありがとうね」
「いえ…じゃぁ」
しょうがない。
ポケットに携帯を戻して亜由を背負う。
昔からそう。
亜由をおんぶするのはオレの役目。
健も秋姉も手伝ってくれなくて、亜由をおんぶするのはオレの仕事なんだ。
ってゆーか秋姉は手伝ってくれようとしたんだけど、体力なくてもたなかったんだ。
小さい頃はオレも体力が無くて大変だったんだよなぁ。
でも今じゃ、身長はまだ亜由のが少し大きいけど軽々背負うこと出来るんだもんな。
そう思うと、亜由だって、オレだって、春姉達だって、変わってきてるんだよな。
ずっと同じなんてこと無いんだ。
オレは、ずっと同じでいられるなんて思ったことはない。
でも同じでいたいって思うほど“前と一緒”じゃ無いことに違和感があってしょうがない。