「あのさ、仁先輩の誕生日って9月?」
「えっ、違うよ。1月だよ」
突然の質問に首を傾げるが、そんな私を前にして何かを決意したかのように鈴菜が眉間にグッと深く皺を寄せた。
「麻希、今更だけどさ」
「ん?」
「仁先輩、彼女居るんじゃない?」
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鈴菜の言葉が衝撃的過ぎて、頭の中が真っ白になったまま、気付いたら家に帰っていた。
今日は放課後に図書室に寄る筈だったのに、それすらもせずに授業が終わったらそのまま帰路に着いたんだと思う。
ぼーっとし過ぎてたから、定かではないけど。
鈴菜が言うには、仁先輩は見て分かるようにお洒落をするタイプじゃないってこと。なのにペンダントをしているのが少し不自然だと。
それでもって、ペンダントトップが2連リングのものはペアものとして人気の形だそうだ。
そして極めつけは、埋め込まれた青い石。だいたいそういう石は誕生石だったりするらしい。青はサファイア。サファイアは9月の誕生石。仁先輩の誕生石なら1月のガーネットの赤である筈だと。