「別にキモくないし。好きなだけだもん」
「好きなら何でも許されるなんて法律はないからね」
「知ってますー」
ぶすっと膨れっ面をするが、鈴菜はそんな私に目もくれず一人首を傾げている。
そして暫くすると、
「ちょっと気になったんだけどさ」
と真剣な顔を私に向けてきた。
「どしたの?」
「仁先輩のつけてるペンダントトップって何がついてるか知ってたりする?」
「そんなの知ってるに決まってるじゃん!どれだけ見てると思ってんのさ!」
「いや、自信満々にそんなストーカー発言しなくていいから」
「だから、ストーカーじゃないってば」
「はいはい。で?」
またもやさらっと流され、話の次を促される。
「ペンダントトップでしょ。チェーンと同じシルバーの2連リングだよ!その1つに青い石が埋まってて綺麗なんだよね」
自分で言いながら、仁先輩の首もとを思い浮かべて思わず頬を緩める私の横で鈴菜はまたしても思案顔。そして、
「シルバーの2連リングに青い石か」
独り言のようにそう呟いたかと思うと、私の目を真っ直ぐ見る。