「今日も撮れなかったし」
そう漏らす言葉も最近では朝のお決まりの挨拶みたいなってきている。
「ご愁傷さま。まっ、中畑先輩の彼女って勘違いもされちゃったし、後は落ちるだけね」
「落ちるってどこにっ!そしてどこまで!」
「うーん。少年院?」
「それ、捕まってるし!」
「ストーカーは犯罪だからね」
「ス、スススストーカーじゃないし」
「はいはい」
こうやって軽く受け流す鈴菜も毎度の事。
それにしても、やっぱり仁先輩に中畑先輩の彼女だなんて勘違いされちゃったのがキツい。
仁先輩の勘違いを解きたいのはやまやまだけど、自分から仁先輩に話し掛けにいく勇気は出ないし。
仕方ない。どうにかこうにか中畑先輩との接触を極力避けるか。
それで、あれ?一緒に帰ってない?ってなったら自然と彼女じゃなかったんだ…になる筈!
うん。これで解決だ!
自分の考えにグッと握り拳をつくると小さなガッツポーズをとる。そして、気分転換に携帯を取り出し以前に撮った仁先輩の写真を出した。