意外と簡単に覚えられる振り付けを考えてくれているらしく、1年と2年にそこまで大変さはないらしい。


 メインがダンスだからかその他の出場種目は意外と少なく、綱引き、玉入れ、台風の目、そして最後の盛り上がりとなるチーム対抗リレー。


この中で、運動音痴の私が唯一なんとかなる競技は1つだけ。


綱引きだけだ。


 玉入れは、玉入れのネットまで玉を投げる事が出来ないし、台風の目なんか走りの遅い私が混じるだけで壊滅だ。チーム対抗リレーは全くもって論外。



なんとしても綱引きに!



そう思ってグッと手で握り拳を作った時、体育委員の声が響いた。


「それでは、まずリレーの選手に立候補、又は推薦はありませんか?」


 リレーは走りが早くないといけないってのは当たり前。なら当然、立候補、推薦で決まるのも納得がいく。


それでもって、全く私には関係ないことも。


リレーの選手は男子2人、女子2人。そして、予想通り男子は直ぐに、陸上部の熊谷君と新井君の立候補で決まり、女子の脇坂さんは推薦で決まった。


確か3人とも走るのが早い。


「あのー、後女子で1人いませんか?」


 1人足りないリレーの選手。だが、もう誰も手を挙げない。