いつもなら聞きたいってなるけど、気分が沈んでる今は微妙。
なんだけど。
「聞きたい?」
「いや……」
「聞きたいわよね!」
「き、…聞きたいです」
鋭い目を向けてグイグイと顔を更に近付けてくる鈴菜を目の前にして、聞かないという選択肢なんて私にはないっていう。
首を縦に振った私を見て、嬉しそうに鈴菜が話し始める。
「実はそろそろある体育祭の1年、2年、3年の組み合わせが昨日の放課後に決まりました!そして、私達は白チームでーす!そしてそして、1年4組はなんと、2年3組と同じです!」
「2年3組って!」
「仁先輩のいるクラスだね」
「だよね!めちゃくちゃついてる!!」
私達の通うこの高校の体育祭は、チームを縦割りで作る事になっている。なんでも、全学年の親睦を深めるのが目的らしい。
それぞれ全学年8組まである中で、チームを決めるくじを引く。つまり1/8の確率を引き当てたわけだ。