「それは、……交換条件的な」
「どうとってもらっても良いけど」
フンッと鼻を鳴らし、上から目線でそう軽く言い放つ中畑先輩。
それが、めちゃくちゃ鬱陶しいと思うのは私だけじゃない筈だと思う。が、この交換条件を呑まないと間違いなく中畑先輩が仁先輩に私の事を家まで付けてきたストーカーだと言う。
なら、私はこの提案を呑むしかないのだ。
「か、かなーり不本意ですが。……中畑先輩、一緒に帰りましょうか」
ひきつる口角を必死に上げそう言ったのに、中畑先輩は不服そうに唇を尖らせる。
そして、
「帰って頂けますか?だろ」
と、とことん上から目線。
もうこれ。ウザい…の一言だ。
「い、一緒に、……帰って頂けますか?」
「お前がどうしてもって言うなら帰ってやってもいいけど」
何これ!
ほんと、鬱陶しい!!
中畑先輩と一緒に帰りたいなんて1ミリも思ってませんけど。っていうか、寧ろ私の目の前から消えて下さい位思ってますけど。
そう内心思っていても、口にしないのは仁先輩の事があるからだ。