「本気ですよ。だって凄く楽しかったですから。終わっちゃったのが寂しいくらい。中畑先輩ともう少し二人で一緒にいたかったなぁ…なんて思ってますもん」



ほんとに楽しかった。

きっとこの夏、最高の思い出だ。



「そういうこと言われると、……理性、壊れるんだけど」

「理性、ですか?」


左手で再び顔を隠している中畑先輩に向かってそう言って首を傾げるが、中畑先輩の口から出るのはその答えではなくて大きなため息で。


その後に、

「あー、もう。来年も再来年もずっと一緒にしてやるよ」

吐き捨てる様にそう口にした。


「再来年もですか?」

「ああ。……ずっとだよ」

「そりゃ、…どうも」



来年だけじゃなくて、再来年も。



中畑先輩と二人で今日みたいに花火が出来る事が嬉しくて、溢れ出した想いが心臓をトットットットッ…と速くさせる。


 カアッと熱くなった顔を中畑先輩に見られまいと、プイッ顔を逸らすのが今の私の精一杯だ。