「えっと、…………はい」


そう答えると、中畑先輩の鋭い目から何とか逃れようと顔を俯かせる。と、今度は呆れた様なため息が降ってきた。


そして、そのため息の後に続く言葉。


「お前、それストーカーっていうの。気付いてる?」

「ス、スススストーカーじゃないですからっ!見てるだけですからっ!」


ガバッと俯いていた顔を上げ、目を見開いて慌てて否定するも、鋭い目から一変、今度は蔑んだ目を向けられる。


「いやいや、ストーカーだから。マジ引くわー」



なんていう事を言い出すんだ、この人は。

そんでもってドン引きされてるし。



「ち、ちちち違うっつってんじゃないですか!」

「いや、違わねぇし。これマジで」

「わ、私が違うって言ったら違うんですよ!」

「何理論だよ。お前、バカだろ」



いや、確かに何理論だよって話だけども。

次いでに、この間のテストは全教科平均点以下だったけども。



「そこは、……否定出来ませんけど」

「バカだな」

「うっさいですよ!」



確かにバカかもしれないけど、初対面の相手にこの仕打ち。

中畑先輩が優しいって言ってたのはどこのどいつだ!