2日後、はるかの意識は戻った。


極度の貧血、脱水状態、ストレス、

あともう少し発見が遅ければ

間に合わなかったかもしれないと、

翔太から聞かされた。



はるかを襲った罪で

義理の父親は逮捕され、

練は1日の拘留と厳重注意で済まされた。

翔太が手を回してくれたらしい。



駅前の和菓子屋さんは、

はるかが保護された次の日から

臨時休業の札がぶらさげてある。




「はるかちゃーん、やっほー」


理子が病室に入ってくる。


「あ、理子さん」

「はいこれ、続きね」


そう言って理子は漫画を渡す。


ありがとうございます、

とはるかはニコニコ笑う。




「りんご食べる?」


うんと頷くと、

慣れた手つきでするすると剥いていく。


1口食べて、美味しいと言うと、

理子も食べる。




「これね、練くんが買ってきてくれたのよ」


え…と、はるかの手が止まる。


「あとこれも」


理子がバナナを袋から出した。



「はるかちゃんのことが心配で毎日来てるのよ、まだ会えない?」