次の日。
なんとなく恐れていたことが起こった。
今日は学校名が半日で終わって。
めずらしくバイトもなく。
銀行に行ってお給料を手に取って、
買い物をして練の家に帰って。
仕事が休みだった練は昼寝をしていて
いつの間にか帰ってきているはるかに
びっくりしていた。
「今日は早かったんですね」
はるかが淹れコーヒーをひと口飲んで言う。
「すいません、朝伝えればよかっですね」
申し訳なさそうに頭を下げる。
いえいえ、と練は微笑んだ。
「昨日いただいた大福食べましょうか」
練はそう言うと、箱を探しに立ち上がる。
と、ふと、止まって、
「お茶がないので買ってきます」
という。
あ、わたしが行きますよ、
はるかはそう答えるけど
「いいです、ここにいてください」
練は大福をはるかの前において
コートを羽織る。
すぐ戻ってきますね、
そう言って玄関を閉めた。