ふと目が覚めた。
今何時だろうと時計を見る。
やけに月明かりが眩しくて練は窓から月を眺めた。
携帯を出し、満月を写真に収める。
カシャという音は気にしない。
成海は同居を始めてから、練と違う部屋で寝ている。
次の日の朝。
カーテンから朝日が指してきて目が覚める。
と、同時に聞こえてくる登校する小学生の声。
理子からもらった急須でお茶を煎れる。
昨日の夜炊いて冷凍したご飯をチン。
その間に部屋干しした洗濯物をしまって
昨日の夕飯の残りを冷蔵庫から出し食べる。
着替えてから軽めに化粧をして、
いつものスニーカーを履く。
バイト先の更衣室のドアを開けると、
理子が髪を結っていた。
「おはようございます」
「あ、おはよー」
どことなく元気がない。
どうかしたんですか?
そう聞こうとすると同時に更衣室のドアが開き
トイレで着替えていた航平が入ってきた。
「あ、おはよう」
「おはようございます。あ、って何ですか」
航平はそう言って笑った。
「昨日ごめんなさい、メール…」
「ああ、いいですよ。後で送ってくれれば」
爽やかな笑顔だなあと、その横顔を見つめる。
昨日の身震いするほどのあの眼差しはなんだったんだろう。
その様子を見てた理子がわざとらしくため息をつく。
2人が振り向くと、歯を食い縛る理子の顔。