あっ、という顔。
なんとなく気まずくなり、
はるかは半笑いで軽く頭を下げる。
ちょっと待ってて、と言うように
控えめに手を上げられて、
はるかはお店に入る。
お客さんがいなくなったのを見計らって
はるかはショーケースの前に立つ。
「お疲れさま。この前はありがとう、助かった。タオル次返すね」
航平は笑顔で、はい、と頷く。
そして、これ、と2つ折りの紙を差し出す。
受け取って中を見てみると、
丁寧に書かれた電話番号とメールアドレス。
紙から顔を上げて航平を見る。
「何かあったら頼ってって言ったけど、連絡先知らないなと思って」
「ありがとう、帰ったら登録する」