重い段ボールの角が腕に食いこむ。

腕が痛くてピクピクと痙攣すらしている。



あともう少しで駅につく、

これで涼しい車内で少し休める。

そう思って少し足早になった


プッ…

クラクションが小さく鳴らされ、

はるかは思わずそっちを見る。


赤いスポーツカー

窓が滑らかに開き、航平が会釈をする。


「あれ、これからディズニーランド?」


「んー、ドタキャンされちゃった」


そう言って微笑む航平の笑顔が、

どこか寂しそうに陰って見える。


「それより、どこに行くんですか?」

「あ、スーパーに届けるの」