「じゃあ行ってきまーす」
はるかは裏口から大きな声で理子に言い、
裏口のドアを開けた。
じりじりとねっとりと、
日焼け止め塗ってくればよかったと思いながら
はるかは段ボールを抱えて駅まで歩く。
お店を出てまだ5分も経ってないのに、
頬に汗が流れ落ちる。
はあーこれ5往復もするのかー
心のなかで泣き叫びながら
はるかは段ボールを持ち直した。
ふと遠くに、見慣れた車が止まった。
思わず足を止めてしまう。
トヨタの型落ち高級車。練の車。
だけどそこから降りてきたのは、
中年のおじさんで。
「そうだよねー、ほかの人も乗ってるよね」
小声でそう呟き、足を踏み出した。