「あ、翔太」


雑誌から視線を上げて、成美は声をかける。


「でっかくなったね〜、予定日いつだっけ?」


「来月。男の子なんだ〜」


「へえ〜、練に似て彫りが深いかもね」



成美の表情が曇る。



「何しに来たんだよ」


連絡はそう言いながら鍋の中のカレーをぐるりとかき回す。


「夕飯を頂ければと思いましてね」


わざとおどけたような口調。

成美の表情は硬いまま。