お店に戻ってきたはるかは、 どこかに気持ちがいっていた。 必要ない、お饅頭の箱を組み立てては レジの台に重ねて乗せていく。 それを理子は片っ端から元あったように ばらしてあった場所に置いていく。 はあ、と、ため息が、 静かなピアノのBGMに溶けて消えていく。 はあ、と、理子のため息が、 はるかのため息を上書きした。