部室とグラウンドの間にある水道。

そう、あの暑い日七瀬先輩に想いを告げられた場所。

最後に此処に来ようと思ってたから丁度良かった。

そう思いながら俺は水道でタオルを濡らし、

サイダーで濡れた箇所を拭いていた時。







「龍之介くん。」







聞こえるはずのない声が自分の後ろから聞こえる。

俺が聞きたいとずっと思っていた声が、

俺の名前を呼んでいる。

俺の事を”龍之介くん”と呼ぶ女の人はただ1人…







「七瀬先輩…」