高校2年生 8月…
夏休みに入り、試合間近の俺達は
猛暑の中部活に励んでいた。
「休憩ー!水分しっかり取れよー!」
そう部長が言った後、
各々マネージャーの元にドリンクを取りに行く。
俺はドリンクより先に汗を拭きながら木陰で休んでいると
「龍之介くん、ドリンクどうぞ。」
「七瀬…先輩…?」
まさか、そんな事が…と思い瞬きするとそこには、
ドリンクをこちらに差し出している坂本さんがいた。
不思議そうに、龍之介先輩…?と言われ
俺は、ハッとしてドリンクを受け取った。
幻覚と幻聴って…暑さにやられてんのかよ…
と俺は情けなく思いながらドリンクを口にした。