彼女が微笑んだ後、周りに居た1年はザワザワしだして…
「え、美人過ぎね?」
「やっべ、超可愛い…」
「サッカー部に決めようかな…」
みたいな声が小さく聞こえてくるわけで…
確かに美人だ。可愛い。
でも、マネージャー目当てで入って来た奴とチームメイトっていうのはな…
うまく仲良く出来る気がしない…
「マネージャーめちゃくちゃ可愛いくね?」
「え…あ、あぁ…。」
隣のやつに急に話し掛けられて曖昧な返事をすれば怪訝そうな顔をされた。
こいつ知っている…試合で何度か見た事がある。確か…
「何だよノリ悪ぃなぁ。
オレ、望月 歩(もちづき あゆむ)!よろしくな!」
「あ…よろしく…俺」
「加藤 龍之介だろ⁉︎何度か試合で見た事あるし!」
そうか…俺が見た事あるって事は相手も知ってる可能性があるという事を忘れていた。
それにしても、中学の時から思っていたが
この望月と言う男は、スポーツをやっているような容姿をしていない。
ピアスの穴は開いているし、髪は目立つほどではでは無いが茶髪だし、
何より喋り方とこのヘラヘラした笑い方が、チャラい。
「一緒にプレイしてみたかったんだよねー。
よろしく!龍!」
「よろしく…」
「こらー、そこの一年、喋ってないで始めるぞー!」
「うーっす!行こうぜ。」
最初から馴れ馴れしい奴だとは思った。
でもこのなりでもサッカーが上手いのは知ってたから、
仲良くなれるとは思った。