「七瀬、あっちで2年が呼んでたぞ。」
「え?ああ…うん。じゃぁ、またね。龍之介くん。」
そう言い先輩は手を振って呼んでいた2年の先輩の元に行ってしまった。
そして七瀬先輩と入れ替わって俺の元に来た佐伯部長に
今日はありがとな、と笑顔で言われた。
「いえ、先輩、卒業おめでとうございます。」
「ん、さんきゅ。」
本当に部長は最後まで爽やかで頼り甲斐のある人だった。
俺もこんな人になりたい、と部長が現役の頃から思っていた。
「きっと次の部長はお前だから頑張れよ。」
「え?いや俺なんかが…」
「何謙遜してんだよ。お前は上手いし真面目だから大丈夫、やれるよ。」
部長にそうやって褒めてもらったのは初めてで
恥ずかしかったけど、凄く嬉しかった。