「離して。」
「うんって言ってくれたらいいよ?」
体育倉庫まで来るとそこには2つの人影があって、
一つは七瀬先輩だが、もう一つは知らない制服を着た男の人だった。
その男の人は七瀬先輩の腕を
にやにやしながら掴んでいて離す様子はない。
「あのさ、部活中なんだけど?」
「だからー、俺と付き合ってくれるって言ったら部活戻っていいよ?」
「貴方とは付き合いません、離して。」
…厄介なことに巻き込まれそうだな…
と少し物陰でその様子を見ていたが
このまま見て見ぬ振りをするわけにはいかないので
止めようとした時、
「あー、もしかしてさー?サッカー部に好きな奴とかいんのー?」
「はい⁉︎何言ってるの⁉︎」
さっきまで冷静に返していた七瀬先輩は
驚いたようで声が裏返っていた。