「にしてもお前よく食うな」
「そう?普通でしょ?」

そう言うハノンの傍らには魚と肉の骨が二本ずつ散らばっていた。今はナツが作ったスープを満足そうにすすっている。

「ところで、お前どこから来たんだ?」

どうせまた食べるだろうと、リアスはハノンが空にした皿を手繰り寄せ、スープを継ぎ足してやる。
ハノンは短くお礼を言い、えーと、と言い淀む。

「向こうから!」

指差す先は、出逢った場所とは反対側を指していた。顔は真剣だ。からかっているわけではなさそうである。
だめだこりゃ、と溜め息をつき、リアスは腰をあげる。

「リアス?どこ行くんだよ」
「世界の果て」
「デジャヴ?」
「…その辺散歩するだけだから大丈夫だっての」

手をひらひらさせてリアスは夜の闇の中に消えていった。