「由菜、塾の帰り、ゆっくり帰ろ」

「ん?」

「だから!」

「うん???」

ごめん有輝、わかっててわかってないふりしてるよ私

「だから!一緒に帰ろ」

「っ!!」

自分で言わせたくせにすごく恥ずかしかった

「どーしたの?有輝からそんな事言うなんて珍しいね」

「いやべつに?」

「ふーん、でもありがと」

「おう」

有輝と帰るっていう新しい習慣がとてもとても嬉しくて幸せで

そばにいられるのがうれしかっただけどね、あれはなんだったの?

なんて聞けなくて……有輝に直接聞ける勇気が欲しいよ、なんてね