「由菜」

「なーに?」

「俊のこと、振れ」

……なんで命令口調なんですか?

「どうやって?」

「好きな人がいるって言えば?」

「好きな人?」

「言わなきゃ分かんないの?」

「分からないです」

「だから、俺が嫌なの」

「何で?」

「もう言わない。とにかく振れ」

「分かった」

「本当に?1人で言える?」

「言えるよ!子供扱いすんな!」

「頑張ってこい」

……チュッ

……恥ずかしいです

「可愛いな。やっぱ5歳児」

「5歳じゃないから!」

……気付いちゃった

俊の“好き”は友達としての“好き”だってことに

有輝のこと、嫌いになりたかった

中途半端な関係は嫌だったから