もう嫌だ。

嫌だ。嫌だ。嫌だ。

世の中はなぜか、一つ嫌なことがあると次々に嫌なことが降りかかる。

なぜだか知らないけれど、とても厄介だ。


そのせいで周りで起きる全てのことが悪循環し始める。

ぐるぐる、ぐるぐる。

嫌なことが回る。

嫌なことが回って回って、結局残るのは嫌なことだけだ。

それを含めて、人は悪循環と呼ぶのだろう。



そうこうしているうちに、どんどん薄汚れていって。

この世のものとは思えないほど絶望的な闇にのまれていく。

そうしてできた心はまるで、炭のように硬く、黒く、けれどそれが深い深い霧で見えないような。



それは、少しも隙のない悪である。


もう、悪でしかないのだ。

その心主の本人でさえ、どうにも操ることができない、悪なのだ。



……だから、一つ嫌なことがあったら、落ち込んではならない。

まだ、間に合うから。



────────そこが、善と悪の分かれ道。