走って、走って、走って。

あぁ、足がもつれそう。
あぁ、もう息が苦しい。
あぁ、もう止まりたい。

でもこのエンジンを止めた矢先に、望みが叶ったらどうする?

嫌だ。

止まらない。

走る。
走る、走る、走る。

あぁ、ほらね、走り続けてよかった。

瞬間、きらり輝く視界に。
目をつぶった瞬間。


あぁ、真っ暗闇。

あれ、おかしいな。
私、走ってる?
走ってるはず。
だってさっき、この目で輝きを見たんだもの。

でも、じゃあ…この闇はなに?



あぁ、そうか。
これが私の望みだったのか。

叶った。叶った。



もう、走らない。