俺と晴香は真田の話を聞き続けた




「この記念碑の場所がちょうど静紅のお母さんが亡くなったところよ」




「静紅ちゃんはその人と魔物の間に生まれた子だから…」




「そう、だから強い
それに剣裁きも母親譲りのもの」



真田は水晶のブレスレットを握りしめている




『お前カンリシャだったのか?』




そう言って俺は真田から渡されたヒビの入った水晶のペンダントを出した





「私は静紅のカンリシャだった
だけどもうその資格はないの」




「なんで?」




「静紅のお母さんが亡くなってから私達は必至に修行して強くなったの
でもね、私はあの戦いで静紅を止められなかった」



真田の瞳から一筋の涙が頬を伝っていった




「今から二年前、私達が中3の時静紅のお母さんを殺したヤツがまた襲ってきたの」




『あの決戦か…』



俺も参加した戦闘だった
当時はまだまだ下っ端で親父の手伝いぐらいしかしてなかった




「自分と同い年でプロのペアがいるって知ってたけどあれは静紅ちゃんと詩歩だったの?」




「そうだよ」




「ウソ…」




動揺を隠しきれない晴香




「静紅はね完全に能力暴走すると目が赤くなるの
そうなったら敵味方の区別が付かなくなる」




「止められなかったの?」





「うーうん、止めなかった…」





「なんで?」





「静紅の思いを知ってて止めることなんて出来ないよ、静紅は敵を討つために厳しい修行にも耐えてきたのに…」



泣き崩れる真田を晴香は抱きしめた