何か間違ってる事言った?
首をかしげる。
「っ、俺が名乗るなんて滅多にねーぞ。」
そして隣からクスクスと笑う金髪の人と
「…まぁ、たしかにな」とボソッと呟く赤髪の人。
逆にいうけど、
小学生っぽい成りで偉そうにしてる方もどうかと思うけど…。
まぁ、そこはスルーしておくよ。
「で?」
「じゃあ、俺からね!」
はいはい!と手を上げて先に声を出したのは
男の子ではない。
金髪少年。
「俺の名前は京斗!んで、こっちは…」
赤髪の人の腕をつかんでコイツ!みたいなことしようとしたらしいが
あっけなく赤髪の人にかわされる。
「…剣治だ。よろしく」
次は男の子、ってなる前に
さっきから人の視線をちらほら感じる。
どうやらそっちの3人にもわかってるようで…
「ごめん、ちょっと場所変えようか。ここ案外目立つし…」
「うん、」
そう、あたしが男の人に誘われてたのは街中。
煌びやかな街のとあるお店の片隅にすぎない。
だからだよね、こんなに目立つのは。
それから彼らに付いて来てと言われ
言われるがままに付いていくことにした。
大丈夫だよね、あたし強いし…
それにいざとなったら電話すれば駆けつけるとか言ってくれたから…。
私は3人の彼らの後ろ姿を見ながらついていった。
ぐいっ
「ひゃ」
いきなり腕を捕まれグイグイ引っ張られていく。
なになに、何事?!
「ちんたら歩いてると日が明けそうだ」
ち、ちんたら~!?
こっちは考えてたのよ!
初めてあったあなたたちを端から信用するわけないし、
それにあなたたちは…
「早く行くぞ」
雷龍なんでしょう?
「さあ、着いたよ」
歩いて5分、京斗は白い建物の前に立ち止まった。
そこには3階建ての大きな家?が堂々と建てられていた。
「って!ここどこよ!着いたって、誰の家!?」
「隣でギャーギャー喚くな。俺の家だ、文句あるのか」
そう偉そうに言うのは、
やっぱりガキにしか見えない金髪メッシュの男の子。
隣でって…
「そっちが引っ張っていったんでしょう!?」
ていうか、コイツんち何者ですか…家でか過ぎ…。
「あーもううるせぇ、俺は先入る。後は頼んだ」
パッと腕が離れ、白い建物に入っていく金髪少年。
自分勝手すぎる…自由人か。
「ぷはっ、やっべぇー美紅ちゃん最高すぎる!…で任せられたけど、剣どうする?」
またしても笑ってるのは京斗で、剣冶に振り返りながら聞く。
「…どうするも何も、家の真ん前なんだからとりあえず中入るだろ」
正論だ。
剣冶は笑ってる京斗をスルーして玄関を開けた。
「…」
え、あ…入っていいの?
首を傾げると、どうぞと言う顔をする剣冶はまるで紳士である。
「ちぇっ、本当はそーゆうのは俺の柄なんだけどな」
ブツブツ言っている京斗を無視し、
白い建物に足を踏み入れた。
すると、目の前に広がった光景は…
洋風の屋敷のよう。
シャンデリアがあって…階段には赤いじゅうたん…。
別世界に入り込んだかのような…すごく不思議な感覚になった。
ここほんとに族の溜まり場?
家にしか見えないんだけど…。
「親とかいないわけ?ってか、ここほんとに何」
「は?雷龍の幹部のみの溜まり場だけど?」
シラッと冷静に返したのは私の横に居た雷龍の総長、叶。
イラッとするも、なんとか耐えて冷静に「ふぅん」と返した。
玄関を通ってすぐの扉に案内された部屋には大きな最新型のようなテレビと大きな縦長テーブル、雷龍の幹部と総長分らしき椅子が置いてあった。
ここはきっと、皆が集まって食事する場所ね。
周りをぐるっと見渡しながら観察していく。
すると、剣冶が私の近くにあった椅子を引いてくれた。
これは座れと言う事なのかな?
まぁ、話をしにここに来たわけだし立ち話も疲れるしね、
と一人で納得しながらゆっくりと椅子に座った。
私が部屋に入る前から自分の席であろう椅子に座っていた叶は
ふんぞり返った様な様子でこちらをじっと見ていた。
な、なんなの?
っていうか!
「あなただけ自己紹介してなんいだけど!」
「言わなくてもここの地元のやつなら大体わかるだろ?」