そこから放課後までずっと南野さんは寝ていた。

そして、ついに放課後。

「あ...。ちゃんと残ってる。」

「俺をなんだと思ってるの?」

「ナマケモノ?」

「ひでーな。」

そう言って南野さんは笑った。

「あの...帰ってくれていいですよ。
私、慣れてるんで。」

そう言って山積みにされた教科書を持って教室を出た。

分厚い教科書が30枚。

うまく前が見えない。

ゴンッ

「あっ!...」

柱にぶつかってしまった。
こける!...

そう思った瞬間私はふわっと優しく包まれた。

「へっ?!」

「あのさ、そんなの1人で持てるわけないでしょ?俺一応男なんだけど?」

「頼ってよ。」

なぜか胸をぐっと掴まれたような気がした。

「ご、ごめんなさい...」

「さっ、行こ!」

「は、はい...」