ガバッ
一気に現実に引き戻る。

あぁ、なんて夢を見たんだろう。

はっと時計を見る。
もうこんな時間か…。

殺し屋でも、学生(高校2年)。
仕事柄あまり学校には行かないが、
休みすぎると国が調査して素性がばれる危険がある。

この世界は大きく分けて2つに分かれている。
特殊能力を持つ者と、持たない者の世界。
そしてこの世界は法と力で秩序を保っている。
理由は至って簡単。力ある(特殊能力を持つ)者が弱き(持たない)者を傷つけさせないためである。

まぁ、ここにいる私達殺し屋は法を無視し、罪を犯しているわけだが…

シャワーを浴び、淡々と学校に行く準備を済ませる。
登校するのは2週間ぶりだろうか。

ローファーに足を滑らせ、ドアを開ける。

『よぉ、花。一緒いこうや。』
朝から威勢のいい声が振りかかる。
「真。貴方は朝から声がおおきいわ。学校くらい1人で行きなさいよ。」

真と私は同じ学年。
だが、私は真を置いて足早に学校へ向かった。