《主人公(私)》
名前:神崎花
別名:呪花(ジュカ)
年齢:17
容姿:腰までのツヤのある緩やかなカールのかかった黒髪。透き通る様な白い肌。妖気な赤いくちびる。朱色の瞳をもつ。身長は155と子柄。両耳には無数のピアスをつけている。


いつからだろう。自分がこうなったのは。
昔はよく笑った。
何をするのも楽しくて人と話すのが好きだった。
夢もあった。お花屋さんになる夢。
なにより生きるのが楽しかった。

今ではそんな自分があったことがしんじられない。昔の自分が羨ましい。

真っ赤な湖を見つめ、1人そんなことを考える。

もう昔には戻れない。
わかってる。わかってるよ、そんなこと。

だんだんとイライラが込み上げ自分の腕にナイフを刺す。

あぁ。またやってしまった。

己を傷つけるなと言われているのに。
大量の血が腕をつたう。

痛くない。むしろ気持ちがいい。

ため息をついた後、手首に結んでいた布を解き出血した腕にまくりつける。

来る!

人の気配を感じ、さっとナイフを構え、投げつける。

パシッ。
”おいおい、仲間殺しはやめようや。”
投げつけたナイフ掴み、面を外しながら男が言った。
身長187、サラサラの後ろで束ねた黒髪、鋭く闇を含んだ藍色の瞳、頬に深い切り傷の跡。同じ殺し屋の真(シン)だ。

殺し屋は顔を、知られない様面をつけて仕事をする。

「現に貴方は死んでないからいいでしょ。」
私が答える。

”綺麗な顔して恐ろしいこと言うね。”
”ってかお前また自分傷つけたのか?”

「よくそんな心にもないこと言えるわね。人の行動に口出ししないで。貴方には関係ないでしょ。」
真に吐き捨てた。

”はいはい。すいませんでしたー。
んじゃ、もう戻ろうか。仕事も終わったことだし。”
ドタドタドタッ
真の意見に賛同して基地に帰ろうと
すると同時に足音が聞こえてきた。

”招かざる客がきちまったな”

「後始末は私がするから真は先に帰って。」
真はわかったとすぐに姿を消した。

シュッ
火のついた針が私の頬をかすめる。
『まてよ。』
地響きのようなドス黒い声が煤けた駐車場内に響く。

声の主は面の穴から
海の様に青い瞳をぎらつかせこちらに睨みをきかしている。

何故あいつは面をつけているのか。
政府の裏の人間か、はたまた別の殺し屋か…

さっきの針の出処はおそらくあいつだろう。火を操るとは少々厄介な相手だ。

「私は依頼された人以外に用はないの。」
そう言って再度立ち去ろうとする。

『待てって言ったの聞こえてねぇのか?こっちは用があんだけど。』
声が聞こえたと同時に燃えた渦が私めがけて襲ってきた。

チッ
私は舌打ちとともにその渦に向かって腕を振り上げ、炎をつかみ、思いっきり凛めがけて投げ飛ばした。
そして炎が吐いた煙に紛れて
外へ逃げ、一気に空に昇り基地めがけて羽ばたいた。

『必ず殺す』
静まり返った駐車場に声が響きわたった。


もう空は暗く、少し肌寒かった。
空気を吸おうと付けていた面を外す。
ふぅ…
そして手を見つめた。
炎をつかんだ時、火傷をし、手のひらは赤く爛れていた。
「自分以外に傷を負わされるのはいつぶりかしら」
何故か自然にふっと笑いがでた。

そうしているうちに森が見えてきた。
徐々に高度を下げ、森の中へ降り立つ。
そして墓地へと足を進め、1番大きな墓の前に立った。

ガガガガガ…
墓石を横にずらすと、階段が姿を現した。
ここを降りたところが私たち殺し屋の基地。

真っ黒な闇へと足を進める。
暗闇に目が慣れているため、階段を踏み外すことはない。

ガチャ
ギィィィ…
古びた扉を開ける。

黒を基調としたお城のようないつものフロアが広がっている。
ズカズカとフロアを進み廊下へ向かう。

ボッボッボッボッ
一気に廊下の壁のろうそくの火が灯り、道を照らした。
10分ほど進み、ドアを開け、自分の部屋に入る。
必要最低限の物しか置いていない殺風景な部屋。
迷わず部屋の隅のベットに向かう。
ボムッ
ベットに倒れこむとすぐ眠りに落ちた。