柏木さんは小会議室にあたしを入れ、鍵をかちゃりとかける。
ドキンとするあたしの前に、持っていた資料を放り投げる。
資料はドサッと大きな音を立て、机の上に散らばって。
柏木さん、怒っているのだと思った。
柏木さん、どんな顔をしているんだろう。
怖くて顔が見れなくて。
下を向いているあたしと、立っている柏木さんの間に、沈黙が舞い降りる。
それでも、鼓動だけはやたら速い。
柏木さんが怒るのも当然だよね。
あたし、柏木さんの彼女なのに、柏木さんのことを貶してばっかり。
謝ろう、謝らなきゃ。
そう思って顔を上げた時……
泣いてしまいそうな柏木さんと視線が合って、言葉を呑んだ。