やばい、なんだか泣きそうだ。
色々混乱して泣きそうだ。
こうやって話していると、やっぱり柏木さんが好きだと思ってしまう。
胸がキュンキュンして、身体が熱くなって。
それなのに、どうして素直になれないの?
柏木さんを傷つけてばかりいるの?
「じゃ、俺にも望みはあるってことですね?」
高柳君が笑顔であたしに言う。
あたしは、そんな高柳君をぽかーんとして見た。
「俺、南條さん、狙っているんですよ」
えっ……
えぇぇぇぇぇ!?
あたしは口をあんぐりと開けたまま、高柳君を見ていた。
嘘だよね、こんなところで宣戦布告?
あたし、高柳君の気持ちに全然気付かなかった。