「中根さん、おもしれーからな」
柏木さんはそう答えつつ、机の上に資料をばさっと置く。
やっぱりいつもの柏木さんだ。
来るもの拒まず。
女性社員とも仲良し。
だけど……
きっと、オトすだけオトして、振ってしまうんだ。
女性社員は頰を染めたまま、緊張した面持ちで聞く。
「柏木さん……
金曜日、良かったら合コンしません?」
ズキン……
あたしの胸が痛む。
柏木さんがあたしのこと、好きでもなんでもないことは知っている。
それでいて、夢か現実か、あたしと付き合うなんて言い出した。
あたしは好きなのに。
柏木さんと話していると楽しいし……
だけど……
好きなのかな?
昨日の強烈な姿を見て、まだ好きって言えるのかな。