あたしは、開いたパソコンの陰から柏木さんをじーっと見ていた。

カッコイイ、イケリーマンの柏木さん。

いつも通りで怪しいそぶり一つない。

そして、あたしに対してもいつも通りだ。

あれは、やっぱり夢だったのか……




そう思った時……





「柏木」




中根さんが柏木さんを呼ぶ。

これは日常茶飯事なのだが……

あたしはドキリとした。

昨日の夕方の、ありえない光景が目に浮かんでしまったから。

パソコンの陰に隠れ、目を皿のようにし、耳をダンボのようにした。