そんな中……
「何言ってるんだ、柏木氏!」
よく聞く男性の声が聞こえた。
振り向くあたしと柏木さん。
ドアの前には中根さんと慧太郎が笑顔で立っていて。
「よく頑張った、柏木氏!」
中根さんは言う。
「オタク万歳だ」
ぽかーんとする柏木さんに、慧太郎は言う。
「柏木氏?
もうこれで僕たち自由だよ?
会社で思う存分アイドルの話出来るよ?」
「中根氏……
慧太郎氏……」
柏木さんは泣きそうな顔で笑っていた。
そんな柏木さんを見て、あたしも泣きそうな顔で笑っていた。
「嫌われてもいいんです……
もう、俺には仲間がいるから」