「南條がオタクのはずねぇだろ」




その声で我に返った。

そして、鼓動が速くなった。





いつの間にか女性集団の前に柏木さんが立っていて。

いつものように、チャラいカシタカ立ちをしていて。

冷めた目で河田さんを見下ろしていた。







「お前、何がしてぇんだ?」



そんな不敵なカシタカに、



「あなたこそ崖っ淵ね」



河田さんは楽しそうに言う。




「会社の三大アイドルの一人がオタク。

その彼女もオタクだなんて」





河田さんと柏木さんの間に、火花が飛び散った……気がした。