「柏木さん!おはようございます」
女子社員の甲高い声が聞こえ、
「おはよう」
聞き慣れた声が聞こえた。
いつもと同じ。
低くて凛とした声。
カッコイイイケメンの声だ。
なんだか柏木さんを見ることが出来ず、おもむろに顔を伏せたあたし。
こんなあたしに、柏木さんは容赦なく言う。
「南條、おはよう」
ビクッと飛び上がるあたし。
顔を上げると、いつも通りのいたずらな笑みを浮かべた柏木さん。
昨日の出来事は夢だったのか。
「お……おはようございます」
そう言いながらも、ドキドキしてしまうあたし。
キモオタのくせに。
本当はナヨナヨしているくせに。