首を縦に振ってやりたい。 オフィスのみんなにバラしてやって、復讐してやりたい。 だけど、そんなことは出来ず。 「いえ……」 首を横に振る。 そんなあたしを見て、顔を緩める柏木さん。 甘くて優しい瞳で見られて、心が悲鳴を上げている。 柏木さんなんて忘れようと思っていたのに! そんな目で見ないでほしい。 河田さんは思いっきりあたしを睨んだ。 初めて視線がぶつかった。 ようやくあたしの存在を認めたのかのようだった。